最初に、お仕事の内容を教えてください。

小林:
もともとは新卒採用の仕事を4年ほどやってきましたが、現在は教育研修をメインで担当しています。若手社員からマネージャークラス向けまで幅広い教育研修を行っているのですが、今年から研修体系を一新しており、その立ち上げを担当しています。

中山:私は、主に大学生向けの新卒採用を担当しています。

今のお仕事で、特に醍醐味となるところは?

小林:
社内外の人と多く関わり、自分のしたことや言ったことが大きな影響力を与えるという点が、責任重大であり、やりがいのあるところです。
採用でいうと、当社の魅力を学生がいかに認知し興味を持つかは、採用担当者である我々の腕にかかっています。当社は、これまでは「精密な地図をコツコツまじめに作り続けてきた会社」でした。しかし今は、良いカルチャーは残しつつ、そこで培ったものを活かして、「地図情報を使って課題解決をする会社」に変わっていく、ちょうど過渡期にあります。そのためにビッグデータやAI、自動運転技術やドローン、マップデザインといった新たな技術開発や事業にも着手しています。地図情報の可能性を追求し、新たなことに挑戦する当社の魅力をしっかりと伝えることで、同じ思いを持つ方に多く来ていただけたら、担当者としては大きな喜びです。もちろん社内においても、ベンチャー的な価値観でどんどん発想して、新しいことに挑戦していける社員を増やしたいと考えていますし、影響力を持って全社的な変革に関わる仕事に携わっているのは大きなやりがいですね。

そのプロセスを回す上での人材要件とは?

小林:
その人自身が持っている好奇心と挑戦心ですね。教育研修も、これまでは義務教育的な階層別研修がメインしたが、今年からは自発的に受講する外部研修や通信教育をメインに変えました。そこに早くから応募してきた社員の顔ぶれをみると、やはり活発なタイプで、新しいことにまず飛びついてみる、というマインドが強い印象を持っています。

これは実際、特に当社で新規事業を立ち上げようというときには重要で、例えばIoT技術と地図情報を掛け合わせたビジネスやシステムであれば、自社の地図データの仕組みやデータベースの構成を知っているだけではなく、ビジネスパートナーとなるお客様のシステムといかに組み合わせるか、ビジネスモデルをどう組むか、さらには最終的な落とし込み先となるアプリのUIやUXをどうするかといったことまで、初めての物事に対しても興味を持って学び、速やかに行動に移す必要があります。
今後はこのようなマインドと行動力を持った人材がますます評価され、活躍していくと思います。

そうした中で、デザインを専門とする人にはどういった活躍の場がありますか?

小林:
もちろん、まずはプロダクトのUI。ただし、単に見た目のデザインにとどまらず、ユーザーが気持ちよく使えるようにするには地図情報をどう見せるのか、そこでどんな価値体験を生み出すことを狙いとするのかといった全体の設計にも関わります。

例えば、福岡の繁華街である天神や中洲でラーメン店を探しているユーザーに向けた地図を提供するとします。アプリの目的、UXデザインの狙いから考えて、まず地図を出したあと、自動的にユーザーがいる地点の近くにあるラーメン店だけを過不足なく優先して表示し、その中から好みの店をストレスなく見つけてナビゲートしてくれる。これが叶えられないと、満足のいく体験価値は提供できず、ビジネスとして成り立ちません。
つまり、単に見た目のデザインだけではなく、ユーザー目線での体験価値のデザイン、さらにはビジネスとシステムの知識など、様々な分野への目配せが必要になるわけです。それができる方はとても重宝されますし、活躍するチャンスがたくさんあると思います。

より幅広く敷衍して、イノベーション創出を担う人材を育成する上でアドバイスをいただけますか?

小林:
先ほど申し上げた通り、当社はこれから今までやったことのない事業にどんどん挑戦して、新しいものを生み出していこうと考えています。従来の当たり前にとらわれず、新しいことに挑戦していこうというアントレプレナーシップは必ず求められてきます。「自分はこれしかやりたくありません」「自分はこれが専門なので、これ以外のことは別の人にお願いします」ではなく、専門外の分野に対しても視野を広く保ち、幅広い人脈と知見を得続けることが大切だと思います。

中山:
採用面接の様子を見ていて感じるのが、学生時代に良い経験を沢山されているのに、背景やそこで得た教訓、学びまで含めて言語化できる方は意外と少ないということです。「これをやりました」で止まってしまう。
企業側が聞きたいのは、行動の裏にあるその人自身の考えや、得た学びの部分です。「どんな考えを持って取り組んだのか、何を失敗して何を学んだのか。そしてその経験をどのように仕事に活かしたいか」ということまで話せる方は、魅力的に映ります。
なぜなら、言語化できるということは、自分で考えて行動する力がある方だと分かるからです。そういう「考動力」を持った方こそが、“イノベーション創出を担う人材”になるのではないかと思います。採用担当として、学生さんにはまずは日頃から自分の考えや行動を言語化する習慣をつけることをお勧めしたいです。